業務上の上下関係を利用した執拗な個人的接触の要求及びセクハラ行為を解決した事例

相談内容
上司から部下の女性社員に対して、個人的な飲み会への執拗な誘いや、SNSアカウント・個人連絡先を繰り返し求める行為、さらには性的な誘いが行われており、被害者が精神的に追い詰められた状態
争点
業務上の上下関係を利用した執拗な個人的接触の要求及びセクハラ行為への対応と防止策
解決内容
以下の対応を実施
・被害者の心理的ケアを最優先
・加害者の処分(懲戒処分)
・就業規則の改定(個人的な交際の強要禁止、SNS等での接触制限を明記)
・管理職向けハラスメント防止研修の実施(デジタルツールを介したハラスメントの具体例を追加)
・相談窓口の周知徹底
社労士所感
本件は『単なる誘い』という認識の加害者と、深刻な精神的苦痛を感じる被害者との認識の違いが特徴的でした。SNSの普及により、勤務時間外でも気軽に連絡が取れる環境が、かえってハラスメントを助長するケースが増えています。会社として、ハラスメント防止研修を行い、業務上の関係性を利用した私的な接触の強要は、明確なハラスメントであるという姿勢を示すことで、他の管理職の意識改革にもつながりました。結果として、社内の権力関係を利用したパワーハラスメントの抑止力にもなっています。